研究紹介

サステイナブル,すなわち「持続可能な」社会を維持するためには,自然環境や資源に配慮した材料やそれを作るプロセスが重要です。 本研究室では,社会,自然環境,資源,エネルギーに配慮した機能的な材料の合成とプロセス開発を行っています。 主な研究テーマの内容を以下に示します。


研究テーマ

工業材料の自己修復性コーティングの開発

金属表面の劣化を防止する方法にコーティング処理などがあります。 これらに要求されるのは,欠陥が生じた場合に新たな皮膜を自然に形成する自己修復性です。 従来はクロメート処理が主流でしたが,環境の問題から使用が規制されました。 新たな成分として有機補修剤,ナノ材料(ナノ粒子,ファイバー等)のハイブリッド化による自己修復コーティングの開発を行っています。

金属錯体を用いたプリンタブルエレクトロニクス(導電,蓄電,発電)

銅イオンを還元析出させ,配線となる銅薄膜を形成することをコンセプトとし,導電性インクを開発しました。 インク成分として,金属ナノ粒子,銅原料,錯化剤の組合せを検討しました。 金属ナノ粒子とギ酸銅-アミン錯体を含む導電性インクを塗布後,200℃以下で加熱処理することで、 バルク銅オーダーの低抵抗導電膜の合成に成功しました。

銅系薄膜を用いた二酸化炭素の電気化学的還元

カーボンリサイクル研究として,銅系薄膜(硫化銅)を用いた二酸化炭素の電気化学的還元に関する研究を行っています。

自己組織化技術を用いたハイドロゲルの開発,バイオ材料・セルロースナノファイバーを用いた機能性ゲルの開発

ゲルにセルロースナノファイバー(CNF) を複合させることでCNFの特性を活用した機械的強度と伸縮性の両方を有するゲルの開発を目指しています。 また、ゲルの刺激応答(光刺激性)評価や薬物送達システムへの応用も行っています。